視力の低下や視野の欠け、明るさや暗さなど、日常生活に支障を来たすほど見えにくくなった場合は、その分を物(グッズ)や知識・情報などで補うことになります。
ここでは、見えにくい人に役立ちそうなグッズなどを紹介します。
スマホ(スマートフォン)
スマホのカメラは目の代わりをしてくれ、今もどんどん便利に進化し続けています。
拡大鏡機能などで、近くも遠くも拡大して見ることが出来ます。
カメラレンズに映った文字をリアルタイムで読み上げてくれるアプリもあります。
書類を撮影して、その文章を読み上げてくれるアプリもあります。
精度はそこそこですが、映った物が何であるのかを教えてくれるアプリもあります。
地図アプリは、音声で目的地まで案内してくれます。
地域が限定されますが、信号機の色を教えてくれるアプリもあります。
駅が限定されますが、ホームや改札、出口やトイレなどを案内してくれるアプリもあります。
とにかく色々な手助けをしてくれるし、今後もっともっと便利になっていくことでしょう。
「スマホは電話をする程度」という方は、ぜひ色々やってみてください。
別のページでこれらアプリを紹介したいと思います。
スマホの充電器とケーブル
カメラ機能も地図アプリも、けっこうバッテリーを使用します。
「知らない場所に行って地図アプリに頼って歩いていたらバッテリーが切れてスマホが使えなくなった」
なんてハプニングが起きたら、そこから地獄の始まりです。恐ろしや。
というわけで、充電器とケーブルも携帯しておくと安心です。
目が見えにくくなったせいで持ち物が増えるので、できる限りコンパクトなものが良いと思いますが、充電器はスマホと重ねて片手で持つことも出来るような形状のものがお勧めです。
かくいう私は、「かわいい!」という理由だけで円筒型の赤い充電器を買ってしまい、バッグの中で収まりは悪いわ、スマホに接続して充電中だと2つまとめて持てないわで、失敗しました(下画像)。

充電器は失敗だけど、このケーブルは成功した買い物ですよ♪
短いので邪魔でないし、赤いので他のケーブルとの識別もしやすいです。
イヤホン(イヤフォン)
スマホの地図アプリのナビ(音声案内)を聴いたり、メールやインターネットサイトの音声読み上げをしたりなど、「目」の代わりに「耳」を使うことになるので、イヤフォンも必須です。
かといって耳栓型のカナル型は、外の音を遮ってしまうので危険です。
というわけでインナーイヤー型か、もっと安全なのは耳掛けタイプがおすすめです。
ただし耳掛けタイプは外の音が普通に聞こえるのと同時に、音が外にガンガン漏れるので、電車やバス、屋内には適しません。
長旅の場合は、電車内ではカナル型、歩く時は耳掛け…などのように使い分けても良いですね。
下の画像は、耳掛けタイプの一例です。
LEDライト
暗いと余計に見えなくなる人には必須アイテムです。
私の場合は
・暗い時間に帰宅予定→しっかり照らす頼もしいライト ・明るい時間内に帰宅予定→一応持ち歩く小さなライト
という風に使い分けています。
(もっとも最近は夜間は出歩かなくなりましたが)
*最適な明るさは、見え方だけでなく居住区域や歩く道の実際によっても異なると思うので、ご自身に一番良い明るさはご自身で見つけてください。
ルーペ
手元の私物を見る場合は高倍率のルーペでも構いませんが、商品などを見る時は高倍率は適さないように感じます。
なぜなら、焦点距離が短く顔を思い切り近づけることになるためと、倍率が上がるほどピント調整が繊細になってくるからです。
そのため、携帯ルーペはある程度視力がある人向けかと思います。
携帯用ルーペは、ペンダントのような物、首から下げるストラップ付きの物、LEDライトも付いたカード式の物、薄型でポケットに余裕で収まる物ほか、とてもたくさん種類があります。
買い物時に使うのであれば、首から下げるタイプが一番便利です(試行錯誤を繰り返した経験談より)。
「低倍率では見えないよ」という場合は、スマホの拡大機能を使うか、次へ。
電子ルーペ(小型)
低倍率ルーペで見えない場合は、スマホの拡大鏡機能か、携帯用電子ルーペがお勧めです。
ちょこっと使うだけならばスマホで事足りるでしょうが、頻繁にしっかりみたい場合は電子ルーペを使うと楽でしょう。
なにしろそのためだけに作られた機器なので、拡大して見る機能に優れています。
電子ルーペの一例
単眼鏡
ルーペは近くを見る物ですが、単眼鏡は中距離〜遠距離を見るためのアイテムです。
例えば不慣れな駅でホームや出口表示を探したり、ホームの電光掲示板を見たり、病院で会計番号表示などを見たり出来ます。
また、単眼鏡の中には遠距離だけに対応したものと、数十センチの距離から焦点を合わせることが出来る物とがあり、見えにくい人が選ぶなら後者がお勧めです。
これならば、家の中の棚のCDを探したり、展覧会などで作品を見たりなども出来ます。
ちなみにこちらも視力低下が進むと厳しくなってきます。
私自身、単眼鏡も厳しくなって卒業し、やはりスマホの拡大鏡機能を使っています。
ただ人混みでスマホを他に向けるような動作は「撮影してる?!」などの誤解を産みかねないので、あまり良くないように感じます。
単眼鏡の一例
メガネ拭き
地味ですが…あった方が安心です。
ハンドクリームを塗った手でレンズ(メガネだけでなく、スマホのカメラやルーペ、単眼鏡など)を触ってしまうと、ティッシュで拭った程度では曇りが取れなくなってしまいます。
見え方にもよりますが、小さな視野に頼っている場合などは大打撃ではないでしょうか。
携帯用の個包装のメガネ拭きがあるので、一応ポーチなどにしのばせておくと、いざという時に助かります。
個包装のメガネ拭きの例遮光眼鏡

疾患や障害によっては眩しいと見えにくくなりますね。
また、眼科通院をしている人は、散瞳の目薬をした帰り道が眩しすぎて見えない…という場合もあると思います。
そんな場合に便利なのが、サングラスではなく遮光眼鏡です。
遮光眼鏡は眩しさだけを抑えて明るさを保つ、優れものです。
さまざまな色のレンズがあり、どれが合うかは人それぞれ異なるので、しっかり試着できるお店や展示会などで選ぶことをお勧めします。
私は視覚障害関連のイベントで色々試着させてもらって選びましたが、眼科受診の帰り道も「すごく明るいのに眩しくない」というミラクルを体験しています(笑)
リフレクター
自分の身は自分で守る物。
リフレクターは自分の安全を他人任せにしているようで、個人的に当初は持つ気はなかったのですが、車を運転する友人から「運転しててヒヤヒヤするから付けて!」と言われ、考えを改めました。
キーホルダータイプならシンプルなもの、可愛いもの、かっこいい物など色々選択肢があります。
また、反射テープを白杖に巻き付けるのも良いでしょう。
(私は白い反射テープを白杖に巻き付けてもらいました)
白杖
白杖を持つことに視力や視野、障害等級の規定などはありません。
眼科医師が宣告するわけでもありません。(そろそろ持った方が…とアドバイスしてくれる医師もいますが)
なので徐々に視力が悪化した人などは、白杖ユーザーになるタイミングがわからず、危険なのに独力で頑張って歩いてたり、閉じた長傘を杖の代わりにして足元を探ったりしてた…なんてこともあります。
ですが、見えにくくなって安全を守りきれなくなったら持つべきだと思います。
自分自身を守るのはもちろん、周りの人を危険な目に遭わせないためにもです。
小さく折りたためる白杖をバッグにしのばせて、慣れない場所や暗い道でのみ使うのもアリでしょう。
「まさか自分が…」とためらう気持ちはあると思いますが、外での移動に不都合や危険が生じるようになったら堂々と使いましょう!
おわりに
以上、目が見えにくくなった場合に、外出時に持っていると便利なグッズの紹介でした。
これらの分どうしても増えてしまうので、私は他の持ち物も軽量コンパクトに、バッグも軽量で外ポケットのあるものを選ぶようになりました。
良いものを見つけたり思いついたりしたら、追記します。
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