視覚障害の認定基準については前のページで書きました。
では実際の申請はどのようにするのでしょうか?
このページではその方法と、私の体験とを書きたいと思います。
以下は東京都心身障害者福祉センターの情報を元に、自分の体験を交えて書いていますが、最新の正しい情報に関してはお住まいの自治体のサイトなどをご覧ください。
身体障害者手帳の申請
(1)自分が該当するかどうか医師に聞く
病気などで見えにくさが進行し、視覚障害者認定を受ける視力(視野)に該当するようになったとしても、必ずしも医師が「では手帳を取りましょう」と言ってくるわけではありません。
なので該当する気がする、そして認定を受けたい、という場合は医師に聞いてみましょう。
(2)申込用紙を用意する
申請には、医師が書く「診断書・意見書」と、自身で記入する「交付申請書」が必要です。
これらは居住地の障害福祉課に行くともらえます。
もしくは自治体によってはダウンロード出来る場合もあります。
(3)医師に診断書・意見書を書いてもらう
医師ならば誰でもOKというわけではなく、「身体障害者福祉法第15条の指定」を受けている医師である必要があります。
ちなみに私は何年も前に都内の私立大学病院で書いてもらいましたが、文書費だか何だかの名目でたしか6千円くらい掛かりました。
たぶん病院によって金額差がけっこうあると思います。
そこそこ記入項目があるので、当然当日に受け取ることは出来ません。
後日もらいに行くか、病院によっては郵送してくれるかも知れません。
そしてこの書類の効力は発行から1年以内です。
(4)写真を撮る
4cm×3cmの上半身の写真を用意します。
手帳に貼られるものなので、ある程度納得の行くものにしましょう!
ある程度色々できる人は、スマホなどで撮影してコンビニプリントにすると、200円くらいで安く作ることも出来ます♪
(5)提出する
・医師に書いてもらった診断書・意見書 ・上記の写真 ・身体障害者手帳交付申請書
を市区町村の障害福祉課に提出して申込ます。
その他の持ち物
・印鑑 ・マイナンバーカード(無い人は、マイナンバーの通知カード+身分証明書)
*事前に電話などで持ち物など確認し、間違いのないようにしてください。
著者は上記の他に通帳も持ってくるように言われました(結局該当せずに、通帳は出番がありませんでしたが)
(6)待つ→取りに行く
申請してから交付まで、1ヶ月〜3ヶ月くらい掛かります。
交付されると市区町村の福祉課から通知が来るので、手帳を受け取りに行きます。
私の体験
私は交付申請と再交付申請をしたのですが、その体験からいくつかのことを書いてみます。
a.医師から勧められるとは限らない
私の場合、病気で徐々に視力が悪化しました。
色々なことが不自由になり、視覚障害認定基準に当てはまる視力になって長く経っても尚、医師から障害認定について言われることはありませんでした。
結局、自分からその話を出して手続きを開始しました。
ある医師からは、必ずしも積極的に進めるわけでもないという話を聞きました。
その理由は、「3級以下の場合は障害認定を受けても、大きなメリットがあるわけでもない」ことと、「メリットが乏しい中で、その話をすること自体が患者にとって大きなショックになる場合もある」からだとか。
たしかに頷ける話です。
これから障害者枠で就職活動をする、という人以外は、急いで取得するメリットが大きいわけではありません。
もし「認定を受けたいけれど、医師に言われないから違うのかな?」と迷っている人は、上記のような場合もあるので相談してみてください。
b.意見書・診断書のコピーの可否
医師に書いてもらった意見書・診断書は、宛名は私の名前になっていましたが、封筒に入れられ封がされていました。
正直、自分の病気について書いてあることなので気になります!
で、当時、ネットで相談したことがあるんです。
開封時にコピーを取らせてもらって良いのかどうかと。
そうしたら、ある見知らぬ人にすごい非常識呼ばわりされちゃいまして。
「他者宛ての文章を勝手に見るなんて非常識だ犯罪だ」みたいな内容でしたかね。
でも、そもそも私宛だし、勝手に開けるつもりなんて無かったのに。
こんな経緯があったのでおっかなびっくりだったのですが、いざ福祉課で提出して開封した際にコピーをお願いしたら、なんの抵抗も驚きもなく、ごく普通に取らせてもらえました。
今となっては当然の権利じゃん、と思います。
c.再交付申請について
初めての申請時の意見書に、「今後悪化の可能性あり、3年後に再認定」みたいな記述があったため、その3年後に福祉課(だったかな?)から再認定の手続きをするように、みたいな書類が届きました。
その後の流れは最初の交付時とほぼ同じだったと思います。
医師の予測通り私は悪化していて、等級も変わりました。
手帳も新しいものに変わりました。
たぶん今は、さらに1段階進んでいると思うのですが、色々面倒なので言い出していません(汗)
d.手帳を取得してよかったこと
当時、「見えにくいけれど全く見えないわけじゃない。こんな自分が白杖を使って良いのだろうか」という迷いがありました。
実際、ネットでは「インチキ障害者呼ばわりされた」などという白杖ユーザーの投稿なども目にし、ますます”危ないので持ちたいけど、持つのも不安”という心境でした。
ですが手帳を交付され、これで堂々と白杖を使えるぞという安心感が大きかったです。
一番大きなメリットは、障害者スポーツ施設を使えるようになったことと、音声図書のサピエを利用できるようになったこと。
この2つは、視力悪化で様々なものを失って行き途方に暮れていた私に、大きな楽しみと力を与えてくれました。
金銭的にありがたかったのは、拡大読書機を補助を受けて購入できたことです。(すったもんだありましたが別のページで…)
ちなみに障害年金は貰っていません。健常者だった頃と同じく、国民年金を払ってます。
電車の運賃は、私の等級ではたしか介護者がいると半額になった気がしますが、最初に一度利用させてもらっただけで、その後は一度も利用していません。
この記事を書くまで、そんな制度を忘れていました。
バスやタクシーも割引で乗れるようですが、なんか嫌がられそうで普通料金を支払っています。
ちなみにこれらサービスなどは、手帳交付時に説明してもらえたりリーフレットを貰えたりするようですが、私の担当だった福祉課職員は傲慢で無知で意地悪で、全くありませんでした!!
全部自分で調べたことです。
他の居住区の友達に聞いたら、サービス全般に関してきちんと紹介してもらえてたそうで、あまりの差に驚いたものでした。
その辺に関しては別のページで書きます。
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