ルーペの基本を知る

ルーペ

このページでは、見えにくい当事者としてのルーペに関しての基本を書きたいと思います。

レンズ倍率の特徴を知る

ルーペのレンズは、倍率が高くなるともちろん対象物は大きく見えるのですが、デメリットもあります。

焦点距離

倍率 高い 低い
拡大率 大きい 小さい
視野 狭い 広い
焦点距離 近い 遠い

このように倍率が高くなると視野は狭くなり、焦点距離も短くなります。

製品にもよるので値は目安ですが、例えば3倍と10倍のレンズを比較してみると…

3倍:目と対象物との距離=約30センチ
10倍:目と対象物との距離=約6センチ

のような差があります。

この焦点距離の短さは、たとえば買い物で商品を見たい場合には、デメリットになります。

(ちなみに私は視力低下が進んでからは、買い物にはスマホの拡大鏡機能を使っています)

ピント合わせ

また、倍率が高くなるほど、ピント合わせがシビアになります。

例えば倍率2倍であれば、適正焦点距離から多少ズレてもそこそこ見えますが、倍率が10倍だと適正焦点距離から少しズレただけでピントがぼやけて見えなくなります。

1点のみを見る場合にはそれでも良いのですが、例えば読書など見たい場所が移動していく場合、この「ピントが合ったりぼやけたり」というのは効率が悪いだけでなく、疲れや気分が悪くなったりする場合もあります。

視野

ルーペは高倍率になるほど、レンズの大きさが小さくなります。

下の画像は一例ですが、すべてコイル社の同系のルーペ。

3倍ではレンズ径が81mmですが、8倍では44mm径、20倍では26mm径です。

  

そして高倍率では当然拡大率も高くなるので、例えば文章を見た場合にはレンズに収まる文字が1文字程度になってしまう、ということになります。

そうするとルーペを動かし続けながら文字を見ることになり、さらに上で書いたように少しのズレでピントがぼやけてしまうので、読み続けるのはかなり大変です(私は無理でした)。

ルーペの種類を知る

ルーペには様々な倍率がある他に、様々なタイプがあります。

使う場面や目的によって、適したタイプを選ぶのがお勧めです。

以下に主な種類と特徴を簡単に書きます。

  • 手持ちルーペ (ハンドルーペ):手に持って使う。虫眼鏡もこのタイプ。
  • 置き型ルーペ (デスクトップルーペ):書類などに直接置いて使う。書き込みが出来る物もあり。
  • スタンド型ルーペ:脚付きのルーペ。ネック部分を曲げて調整出来る物もある。
  • 携帯用ルーペ:小型で持ち歩きに適している。
  • 装着型ルーペ:頭や目などに装着するタイプのルーペ。
  • シートレンズ:薄いシートタイプ。フレネルレンズほか。
  • 単眼鏡:…遠くを見ることが出来る
  • 電子ルーペ:カメラで捉えた像を画面に映し出す。
  • 拡大読書器:カメラとモニタで大きく映し出すことが出来る。

それぞれのルーペについては、他のページで詳しく書きます。

レンズの品質

例えば「レンズ倍率3倍」のルーペでも、製品によって見え方は大きな差があります。

それは、レンズ材質の違い、球面/非球面/フレネルの違い、コーティングの違いなどによって変わってくるからです。

この辺、私自身詳しくはチンプンカンプンなのでここでは説明は省きますが、つまりは

倍率と種類だけでなく、質も重視して選ぶ

ということが言いたいのです。

質の高いレンズは、視界が明るく、クリアで、歪みが無く、劣化もしにくい…などの特徴を備えています。

逆に質の良くないレンズは、視野が暗く、透明度が低く、歪みがあり、すぐ劣化します。

老眼程度の見えにくさであれば、安価なレンズでもそれなりに役に立ってくれるでしょうが、病気などで見えにくくなった場合は、品質の悪いルーペだと見えません。

というわけで、どういうメーカーの、どういうレンズなのかにも注目して選んでください。

見え方と目的に合うルーペ を選ぶ

非常にざっくりした説明でしたが、以上のことを踏まえて、自身の見え方と使用目的に合ったルーペ を選びます。

基本的に

新聞を読むために必要な視力=0.5以上
地図を見るために必要な視力=0.8以上

だそうで、たとえば矯正視力0.2の場合、

新聞の0.5にするには2.5倍のレンズ
地図の0.8にするには4倍のレンズ

ということになります。

このサイトでは、様々なルーペを使ってきた私の感想を含めて、それぞれのルーペの説明を書いていくつもりです。

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