シートレンズの実際
読み書き:ルーペ
本のページの間に挟んでおいたり、手帳のポケットに入れて置いたり。
そんな扱いができる薄いルーペもあります。
数百円の安価なフレネルレンズから、高品質の薄型ルーペまで、色々な製品があります。
ここではロービジョンで見えにくい当事者としてのシート型レンズについての感想などと、いくつかのシート型レンズの紹介を書きます。
お手軽なフレネルレンズ
フレネルレンズとは何か、私には説明できないので、ウィキペディアから引用すると…
フレネルレンズ(英: Fresnel lens[1] [freɪˈnɛl lɛnz, ˈfrɛznəl lɛnz])は、通常のレンズを同心円状の領域に分割し厚みを減らしたレンズであり、のこぎり状の断面を持つ…
というような感じなのですが、とにかく薄くて軽くて表面に細かなギザギザがある、板状のものです。
私感も含みますが、一般的なルーペの凸レンズとフレネルレンズを比べてみると…
凸レンズ | 明るい | 透明度が高い | 高倍率もある | 劣化しにくい | 厚い | 重い | 高価 | 大きさや形に制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
フレネルレンズ | 暗い | 透明度が低い | 低倍率のみ | 劣化しやすい | 薄い | 軽い | 安価 | 大きいサイズあり |
このように様々な違いがあります。
一般的にフレネルレンズは透明度が低く、視野が暗く、倍率も低いので、ロービジョン(弱視)には不向きですが、老眼や「ちょっと見えにくい」くらいの場合には便利に使えると思います。
大きさや形も様々で、カードや名刺くらいのサイズの物もあれば、文庫本に最適そうなしおりサイズの物、A4サイズ、A3サイズ程度の大きなものまで色々あります。
特に、安価なことや、とにかく軽いことは魅力でしょう。
私が試したフレネルレンズ
大きなフレネルレンズ(ビッグアイ)
上画像はスタンドルーペの実際でも書いた、
ノートパソコン用に買った「ビッグアイ」です。
画像はノートパンの画面で、左側がレンズ越しの見え方です。
目の病気になって少し見えにくくなってきた頃に、14インチのノートパソコンの画面が見辛くなり、ちょっとでも見やすくなれば…と思って購入しました。
今は全くの同じ品は無いようですが、ライト付きに進化し、クランプ式(私のはスタンド式)も加わっているようです。
ちなみにフレネルレンズではなく、凸レンズに付け替えることも可能です。
読書に適したサイズのフレネルレンズ
こちらはもう覚えていないほど古いフレネルレンズ。
たぶんルーペ を購入した時の、お買い上げプレゼントなどでもらったものと思います。
読書をするのに最適なサイズで、使わない時も本の間に挟んでおけました。
扱いが雑だったせいもあり、劣化が激しいです。
カードタイプのフレネルレンズ
こちらも古いものですが、当時は安価なフレネルレンズの中でも品質が良かった、
丸善のフレネルレンズ。
400円未満でしたが、視界もけっこうクリアで明るかったです。
老眼やごく軽い視力障害ならば、便利に使えると思います。
私は老眼の人にプレゼントしました。
シート型レンズ いろいろ
上ではフレネルレンズを紹介しましたが、それ以外の材質の物もあります。
イージーポケット(エッシェンバッハ)
早速フレネルレンズ「以外」からの紹介です。
この「イージーポケット」は、薄いカードタイプながら、材質はディフィフラクティブレンズ(多次回折構造非球面レンズ)なため、薄型にしては珍しい高い倍率と優れた透明感、傷の付きにくさ、歪みの無さなどの長所があります。
しかもLEDライト付きで、レンズカバーの開閉で自動点灯します。
倍率:2.5× レンズサイズ:50×75mm
倍率:3× レンズサイズ:46×50mm
倍率:4× レンズサイズ:46×50mm
の3タイプで、倍率3倍のものはいくつかのデザインがあります。
ダイアリールーペ(エッシェンバッハ)
こちらもはディフィフラクティブレンズ(多次回折構造非球面レンズ)を使用したカードタイプのルーペ。
倍率2.5倍、暑さ2.5mm、ルーペ部分サイズ75×50mm、重さ約12g。
一眼レフや医療用顕微鏡にも使われる回折光学技術を駆使した高性能ルーペとのことです。
ロービジョンには倍率が足りませんが、老眼の人などには良さそう。
似た製品でリサイクルレザーのカバーが付いているviso POCKETもあります。
大きなフレネルレンズ
画像では分かりにくいですが、ほぼA3のサイズがある、池田レンズのフレネルレンズ。
倍率1.5倍、アクリル製。
倍率は低いですが、A3サイズってすごいです!
携帯に便利なフレネルレンズ
上画像はKenkoのカードタイプルーペ。
素材はプラスティックで、収納時のサイズはW93×H60×D1mmというコンパクトさ。
同シリーズで、ポケットタイプ、手帳タイプ、しおりタイプもあります。
そのほか
お手軽で需要があるのか(?)フレネルレンズは色々なメーカーが色々な製品を作っています。
倍率が低い、暗いなどのデメリットはありますが、老眼などでは十分に役立ってくれるのではないかと思います。
低倍率だと焦点距離もそこまでシビアではないので、自分で少々前後(遠近)させてみて、多少見やすく調節することもできるでしょう。
ただロービジョンや視覚障害では残念ながら見えないと思うので、フレネルレンズ以外のものをお勧めします。