何年も前の話なのですが、ここに書き留めておこうと思います。 すでに眼科治療でステロイドを内服している最中に、薬疹を発症した話です。 記憶違いの部分もあるかも知れません。
きっかけは、ただの風邪
その冬、風邪をひきました。 高熱も出ました。 すでに目の病気を再発していて、ステロイド(プレドニン)を30ミリ〜10ミリの間で増減していた頃です。 それまでの自分ならば、風邪くらいで病院になど絶対に行かないのですが、目やステロイドとの兼ね合いも気になり、近所の内科に行きました。 インフルエンザも陰性で、診断は「ただの風邪」。 ただ、やはりステロイドを服用していることで重くなって高熱まで行ってしまったようです。 解熱鎮痛のロキソニンと、抗生物質セフゾンと、もう一つ、何か忘れたけれど薬を処方されました。 風邪は快方に向かい、日常を取り戻しました。 が、たしか13日後くらいに発疹が出現しました。
じんましん出現
ある晩シャワーを浴びていたら、お腹を中心にたくさんの発疹が出現していました。 じんましんは出にくい体質だったので珍しく、「なんだろな?」と思いつつも普通に就寝。 翌朝起きたら、じんましんがもっと広範囲になっていました。 仕事は遅刻することにし、眼科で通っていた病院の皮膚科を受診。 初診担当の若い医師が丁寧に診察し、体が熱を持っているとのことで検温したら38度強(自覚なかった)。 さらに、喉のチェックもされましたが、喉も赤くなっているとのこと。 その時点での可能性は、ナントカナントカ菌の感染症(忘れた)か、薬疹とのこと。 とりあえず検査結果を待つことになり、家で安静にしているようにいわれました。
赤い肌に紫の斑点、すごいことに
翌日だったかな…再度病院に行くと、薬疹の可能性が高いとのことでした。 やはり熱は38度ちょっと。 皮疹はどんどんひどくなり、皮膚は赤く、発疹は紫のような濃い色で、すごいことになっていました。 それまで甘く見ていたのですが、ここで入院の話が出ました。 しかし緊急入院となると個室しか空いておらず、その病院は室料が高いことでやや有名なところ。 医師はそこまで配慮してくれて、「個室はきつい」と嫌がる私に、系列の他の病院に電話をして病室が空いていないか問い合わせ始めました。 その姿に、「そんなに大変なことなのか?」と、この時に初めて自覚したのでした。 系列病院も結局空きがなく、とりあえずは入院手続きをすることになりました。 入院のための一通りの検査を受けたのですが、何のためだったか上半身ほぼ裸になった私を見た看護師さんが 「痒くて辛いでしょう」 と優しく言葉をかけてくれました。 しかしそういえば、その時点で私のじんましんは全く痒くなかったのでした。
入院を待ちつつ自宅療養
幸いというべきか、前述の通りすでにステロイドを服用していた私。 ステロイドは薬疹を抑える効能もあるため、あれでもまだ症状が抑えられていたのでしょう。 入院手続きをしつつも、ひとまず内服のステロイドを増やすことになりました。 入院をしぶる私に、「熱が38度後半まで上がったり、皮膚が剥がれてくるようなら即連絡・即入院」ということになり、とりあえずは自宅療養ということになりました。 (ていうか皮膚が剥がれるって何やねん、怖!と思った当時の自分) その頃には、顔面と手先、足先以外はすべて強烈な色の発疹で覆われていました。 つまり長袖タートルネックと十分丈パンツを履いてしまえば、外見上はいつもと同じでした。 なぜそれらの部分だけが免れたのかはわかりません。 また、初診で喉の赤さを指摘されましたが、おしり周辺の粘膜も荒れている感じでした(言わなかったけど) 熱も相変わらず38度過ぎで、熱のせいか薬疹との闘いのせいか、とにかく眠くて眠くて、何日も寝て過ごしました。 結局、病院のベッドは空かず、熱は38.5度以下で踏ん張り、皮膚が剥がれてくることもなく、ギリギリのラインで過ごしていました。
薬疹後半戦 ついに出た痒み
本当に、ちょっとやそっとじゃお目にかかれない、すさまじい皮膚状況でしたが、全く痒くも痛くもなかったんです。 が、無事にピークを超えた頃それは始まりました。 初めて痒さが襲ってきました。 とはいえ、発疹全部が痒くなったわけではなく、主に太もも部分でした。 通院は続いていましたが、医師はどんどん塗り薬を出し、私はどんどん塗り込みました。 痒かったけれど眠りを妨げるほどの痒さではなく、それだけは恵まれていたのかも知れません。
終焉と後遺症
先にも書きましたが、発疹の色も皮膚の色も、本当にすさまじいものでした。 特に発疹は、きれいに言うならカシス色。 すごく濃い紫で、それが全身、超「密」で。 「もう2度と半袖を着れないのだろうか」と悲しくもなりました。 しかし、時間の経過とともにそれは完全に治りました。 色素沈着なんて全く起きませんでした。 ほんとに不思議。 でも軽度の後遺症はありました。 まず、ものすごい乾燥肌になってしまいました。 カサカサで水分が全然無い感じで、細かくシワが出来ちゃうような感じで。 さらにフケのように細かく粉のようになって剥がれ落ちるので、服を脱ぐ時や脱いだ後に注意が必要になりました。 幸い、3年くらい後には治りました。 あと、むしろ良かったことなのですが、手足のムダ毛が抜け落ちて生えなくなりました。 ケアの必要が無くなり「やったぜ」と思っていましたが、後に眼科でステロイドパルスを受けたり免疫抑制剤を使ったりしているうちに、治って生えてきてしまいました。 がっかり。 ちなみに仕事はありがたいことに上司に薬疹の知識があり、大変さを分かってくれ、しっかり休んで治すように言ってもらえました。 有り難かったです。
原因はたぶんセフゾン
原因を明確にしたかったのですが、当時から今までずっとステロイドを服用し続けているので、それが免疫を抑えてしまうのでテストをしても結果が正確に出ないだろうとのこと。 なので「おそらくセフゾン(抗生物質)」という結果のままです。 薬疹は時に命に関わる場合もあり、1度目よりも2度目はさらに深刻になるとのこと。 なので「抗生物質で薬疹を起こしたことがある」というのは、ちょっぴり面倒です。 手術を受ける時などはいちいち言わなくてはならないし、向こうも余計な配慮が求められて面倒だろうし。 一度は耳鼻科で出された抗生物質がセフゾンと同じ系統で、薬局で「薬疹の経験があるが大丈夫か?」と質問したけれど回答は「大丈夫」とあっさり答えられ。 でもどう調べてもまずいんじゃないかと思い、ネットの薬剤師さんやかかりつけ内科に聞いてみたら、やはり「通常なら避けるべき」との回答でした。 一応薬局には伝えたのですが、「不安にさせてしまってすみません」としか言わないんですよね。 ミスとまでは言わないにせよ、不適切な処方だったとは口が裂けても言わない雰囲気で。 ちょっとモヤモヤしました。
最後に…本当は怖い薬疹
結局私のアレは何だったのか? なにしろ重い症状だったにも関わらず、事前からステロイドを内服していたので、あれでも症状は抑えられていたのだと思います。 別の機会に、別の医師に当時のことを話したら「たぶんSJS(スティーブンス-ジョンソン症候群)」と言われましたが、実際に診察にあたった皮膚科からはそうは言われていません。 でもステロイドを内服していなかったら、たぶん本当のSJSになっていたのではないかと思います。 SJSも十分に重症ですが、さらに重いTEN(中毒性表皮壊死症)では死亡率が20%くらいだとか。 先に書いたように、入院するか否かの時に、「皮膚が剥がれてきたら」と言われました。 後から知りましたが、それって火傷のような状態になり、擦るだけで皮膚が剥がれ落ちてしまうそう。 そんな重症になる可能性もあったのかと愕然としました。 そうそう、あとは目の角膜や結膜にも症状がでて重い後遺症が残る場合もあるようですが、私にはそれはありませんでした。 薬疹は、アレルギー体質だとか薬の飲み過ぎだとかは関係なく、誰にでも起こりうるもののようです。 私自身、軽い花粉症以外は特にアレルギーもなく、まさか自分にあんな事が起きるとは思ってもみませんでした。 ・・・と言いつつ、そういえば10代半ばの頃、一度全身蕁麻疹が出た事があったっけ。 すでに目の治療で薬を飲んでいて、整形外科などにも通っていたのだけど、もしかしてあれが1度目の薬疹だったのか??映画
5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~
病気で95%の資格を失った青年が、やりたいことを諦めずに挑戦するストーリー。
実話に基づいたお話ですが、とっても楽しくてハッピーで「何でも出来る!」という元気が湧いてくる映画です。
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