咳喘息を発症した話

目以外の病気・体調
喘息に関する知識が全く無かった私は、まさか大人すぎるくらい大人な年齢になってから発症するとは知りませんでした。
発症からその後までを書いてみたいと思います。

きっかけは風邪

ある年の暮れ。
とある施設で職員さんと喋ったのですが、風邪のようで目の前で咳やクシャミをたくさんされました。
もともと目の病気でステロイドを長期使用して免疫に自信がなかったので、「ちょっと嫌だな」と思いながらも、露骨に避けるわけにも行かず。
悪い予感は当たり、その2、3日後に風邪発症。

ただの風邪ならば放っておくのですが、咳がひどくなって声も出なくなってきたので近所の内科へ。
ついでにインフルエンザの検査も受けたけれど陰性。
咳止めを含むいくつかの薬を処方されました。
しかし全く改善せず、それどころか咳は悪化の一途。
世間は年末年始で、病院もみなお休みの中、地獄の年末年始を迎えたのです。

24時間絶え間ない咳

咳が止まらなくなりました。
比喩でなく、大袈裟でなく、本当に24時間止まる時がありませんでした。
息を吸う間もないほど、もちろん咳き込み過ぎで吐きそうになったのは何度も。
咳はたったの一分ですら止まってくれず、なので眠れず、咳と咳との間のほんの数秒の間に眠りに落ち、またすぐ咳き込んで目覚める…という事態になりました。

とにかく苦しかったのと、熱も出たり下がったりだったのでベッドの中で過ごしていましたが、たまに起きて家族に喋ろうにも常に咳が出るので喋ることができず、筆談に。
また、その頃にはもう声も全く出なくなってしまっていました。
父親は救急車を呼ぼうと思ったようでした。
(後に、診察した医師から「救急病院に行けば良かったのに」と言われました)

苦しい苦しい地獄の数日を過ごし、正月三が日が過ぎ、正月明けの内科を探して縋る思いで行きました。
(年末に行った病院は、まだ正月休み中でした)

喘息の可能性

もはや囁き声すら出ないくらいだったので、簡単な経緯などをiPadに書いて、画面を見てもらいました。
医師はいくつかの可能性を挙げ、

1.陰性だったものの、インフルエンザだった
2.年末に行った内科で、新たにインフルエンザに罹った
3.喘息発症

とのことで、確定は出来ないものの先に喘息と見立てて薬を試すことになりました。
飲み薬と、毎日の吸入薬と、苦しいときの吸入薬。
そして、です!
一分と止まらなかった強い咳が、この「苦しい時の吸入薬」で止まったのです!!

とはいえ、”切れ目のなかった物が、プツプツ切れ目ができるようになった”という感じで、相変わらず咳は続きました。
でもこの吸入をした晩、何日かぶりに眠れたのです。もう本当に。すごい体験でした!

咳による肋骨骨折

さて、咳が出始めて早い段階で肋骨が痛くなっていました。
年明けに受診した時に、胸のレントゲンも撮ったのですが、その時は異常なし。
でも、「絶え間」は出来たものの、相変わらず強くしつこい咳は続き、胸の痛みは増す一方で、ある時の咳の瞬間に、一線を超えた痛みに襲われました。

「折れたのでは?」と思い整形外科に行ったら、やはり肋骨を骨折していました。
でも治療って特にないのですね。
痛み止めと、こちらから要求して、肋骨のサポーターをもらったくらい。

みなさん、想像してみてください。
肋骨を折るほどの激しい咳が、肋骨を折った後も続くのです。
どれほどの激痛の連続だったか。
どうか私を慰めてください(笑)
地獄の痛みでしたよ。

喘息発症のその後

私の喘息はたぶん咳喘息であり、命に関わるような重い喘息ではありません。
それでも医師曰く「重い方」だそうで、内服も吸入も、当時から今までずっと続いています。

発症から1年は、息が苦しかったです。
毎日苦しくて、「ああ、この先ずっと息が苦しい人生なのだろうか」と本気で嘆いていましたが、これは完全に治りました。
だから、これを読んでいて今苦しい人がいるなら、大丈夫だから絶望しないでください。

ただし「重い方」の自分は、薬が切れると咳が出て来て、まだ放置していると日夜咳が止まらなくなり、苦しくなってきます。
薬は手放すことができません。
でも副作用もないし、無問題。
埃っぽい環境にいくと苦しくなることがあるので、そこだけ要注意です。
あと、病院に入院した時も、だんだん咳がとまらなくなりました。
他にも喘息持ちの患者さんがいて、やはり辛いと。
空気が乾燥していることが原因のようです。
なので喘息持ちさんは、入院する際は注意が必要です。
(大事な吸入薬を取り上げられ、欲しい時にすぐに吸入できない状態になりました。家に予備を取りに帰ろうかと本気で画策したくらい辛かった)

また、声も半年くらいは出ませんでした。
咳の威力で声帯を傷めまくったようです。
悲しいですが、これにより私は声域がせまくなりました。
喘息のせいで声が少し低くなったのに、たぶん知らない人からは「年のせい」に思われることでしょう。そこが悔しい。

でも今、普通に呼吸が出来、何かをして異様に苦しくなるということも無く、苦しかったあの1年間からしたら夢のような回復ぶりです。
苦しい時専用の吸入薬もずっと使っておらず、もう消費期限も切れ、今は持ってすらいません。
(予防のための毎日の吸入薬は使っています)

コロナ禍で、息が苦しいという話を聞くたび、当時の苦しさ辛さを思い出し、そして肺炎の人はもっと苦しいのだろうなと想像します。
新型コロナはまだまだ不明な部分も多い恐るべき病気ですが、「ただの風邪」だった私でさえ喘息を発症し、一年間息が苦しくて辛い思いをしました。
やはり予防は大事だと思います。

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