十代半ばでやっかいな炎症性の目の病気になり、3ヶ月間入院しました。 入院中はとにかく炎症を抑えるために、あらゆる治療が試されました。 当時の症状の一つが網膜の血管炎で、血管の血流が悪いために新生血管がたくさん出来てしまっていることでした。 この新生血管は血管壁がとても薄く、破けて出血しやすいのだとか。 日々奮闘の治療の結果、通院可のレベルになり退院。 眼底出血が起き始めたのはそれからでした。
目の中って、若い頃は硝子体(ゼリー状)が詰まっていて、年齢を重ねると硝子体が縮んでそのぶん液体が入ってくると思うのですが、当時は十代半ばという若さ。 目の中で出血した血液は硝子体の中に止まるためか、まるで視界に「ごはんですよ(海苔の佃煮)」が漂っているかのように見えました。 出血した部位によると思いますが、それが視野の中心に来てしまうと、なにしろ目の前を「ごはんですよ」が塞いでいるような感じになるので、とにかく邪魔。 しかし時間の経過と共に少しずつ血液は沈んでいくので、日が経つと共に「ごはんですよ」は視野の上の方に移動していくのでした。 (目は上下左右が逆さまに見えているため) この出血が、小さくて数回程度ならば、そこまでの悪影響はなかったかもしれません。 けれど私の目は、この出血を何度も繰り返しました。
すると、沈んで行き着いた先(網膜)にへばりつくようで。 そしてそれが収縮し、網膜が引っ張られるというのです。 なので一時期は、血の塊を溶かすような薬も飲んでいたものでした。 なにしろ「ごはんですよ」が視界を漂うので、学校の黒板の文字も、教科書も何もかも見えにくくてストレスでしたが、それでもどうにか普通の学校生活を送っていました。 (ストレスは相当でしたが) そのうちに出血も炎症も落ち着いていき、二十歳を超えるころには半年に一度の通院で良いようになりました。 視力も、医師が驚くほど取り戻し、このまま終わればハッピーエンドだったのですが… 後編へ続く
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