見えにくさの対処法まめちら
老眼、目の病気、ロービジョン(弱視)などの様々な「見えにくさ」に、あらゆる対処法を提案

iPadやiPhoneは電子ルーペとして使えるか?(1)

ITを味方に


電子ルーペの一例

電子ルーペとは、カメラで撮影した像を、モニタに映し出してくれる機器。
視覚障害者の日常生活用具である拡大読書器の携帯型と似ていますが、価格的にもずっとお手頃で、視覚障害だけでなく目の病気や老眼などで「少し見えにくい」という人にも便利な機器です。

このページではこの電子ルーペの機能に、iPhoneやiPadがどこまで迫れるかを試してみました。 長くなるので、2ページに分けます。

もくじ
  • その前に
  • 倍率の比較
  • カラーモードの比較
  • 明るさとライト(次ページ)
  • コントラスト(次ページ)
  • そのほか(次ページ)
  • 電子ルーペが完全に勝っている点(次ページ)
  • iPhone、iPadで電子ルーペに挑む(次ページ)
  • 最後に(次ページ)
  • その前に

    まず、電子ルーペも色々ありますが、ここでは視覚障害者のための機器を扱っているシステムギアビジョンさんでも取り扱っている、
    クローバー3(下画像左)、クローバー4(同右)
    を比較に使うことにします。
    ちなみに私はクローバー3が欲しいです。
    小型なので、外出時にも使いやすそうなので…

    また、iPhoneとiPadでは、アクセシビリティ機能である拡大鏡と、無料のアプリ明るく大きくを使っています。
    これらについては、下記のページでもレポートしています。

    視覚障害とiPhone/iPad(4) 拡大鏡
    まるで電子ルーペのようにようになる「明るく大きく」

    アプリは、使用するデバイスやアプリのバージョンによって、下記の性能とは異なる場合もあります。
    また、特に知識のない一素人による記事なので、勘違いや見落としもあるかもしれません。

    倍率の比較

    クローバー3 約3.8倍 ~ 約16倍(被写体に乗せた場合)
    ※対象物から離した場合、さらに低倍率表示可能。
    クローバー4 約3.5倍~約16倍(被写体にのせた場合)
    ※対象物から離した場合、さらに低倍率表示が可能。

    iPhoneやiPadの場合、アプリや機種によっても「○倍」の実際の大きさは異なるので数値は当てになりませんが、参考のために最大倍率その他で撮影してみました。
    被写体は、新聞の本文の文字です。

    iPhone+拡大鏡の最大倍率

    私のiPhoneはiPhoneXRですが、最大倍率にすると画面いっぱいに文字が映し出される感じです。
    上の画像は、(1)がiPhoneごと撮影したもの、(2)がiPhone画面のキャプチャです。
    ちなみに、下画像のようにLomicallのiPhoneスタンドを水平にして

    iPhone+「明るく大きく」アプリの最大倍率

    (1)は最大倍率の20倍。
    ピントや明るさなどをちゃんと調節していないので、暗くぼやけ気味ですが、上記拡大鏡の最大倍率よりもさらに拡大されて、字がはみ出ています。
    (2)は倍率10倍です。

    iPad+拡大鏡の最大倍率

    大き過ぎてインクの滲みらしきものも見えます。
    (1)はiPadごと撮影したもの、(2)はiPad画面のキャプチャです。

    ちなみに下画像のようにLomicallのタブレット用スタンドを水平にして載せています。

    iPad+「明るく大きく」アプリの最大倍率

    (1)は、最大倍率の20倍。iPadの画面からもはみ出しそうな大きさです。
    (2)は、10倍。縦に3文字入るくらいですね。
    (3)は、5倍。範囲が広くなりました。

    以上、まずは「倍率」に関して見てみましたが、倍率面ではiPhoneやiPadも電子ルーペに負けていないように思います。

    カラーモードの比較

    カラーモードが豊富な電子ルーペもありますが、そんなに必要なのか私にはちょっと分かりません。
    クローバーの3種類で十分そうに思えます。

    クローバー3 白黒・白黒反転・黒黄
    クローバー4 白黒・白黒反転・黒黄

    iPhone、iPadの拡大鏡のカラーモード

    iOSの「拡大鏡」では、カラーモードではなく「フィルタ」という言葉で表されているのですが、
    グレイスケール、黒地に赤、黒地に黄色、青地に黄色、青地に白、反転、反転グレイスケール、赤地に黒、黄色地に黒、黄色地に青、白地に青
    の11種類ものフィルタがあります。
    そして良いところは、上画像の各項目にチェックが付いていますが、このチェックの有無で使うフィルターだけを選ぶことも出来る点です。
    とりあえず、フィルタなし、グレイスケール、反転、反転グレイスケール、黄色地に黒の5つだけを選んで比べてみました。

    (1)がフィルタなし。白い用紙に黒字印刷で、一部分だけピンク色の文字です。
    (2)がグレイスケール。白・黒・グレーだけの色味です。
    (3)が反転。白は黒に、黒は白に、ピンクは水色になりました。
    (4)が反転グレイスケール。黒白がくっきりして、一番見やすいかも?
    (5)が「黄色地に黒」なのですが、黒地に黄色なように思うのですが…。でも他の色も同様の表現がされています。

    ついでに、小さいですが各色フィルタの様子を載せておきます。
    (青系が途切れててスミマセン 汗)

    iPhone、iPadの「明るく大きく」アプリのカラーモード

    通常の画面では明暗反転ボタンがあり、それをタップすることで白黒の反転が出来ます。
    そしてそれ以外にも多数のカラーモードがあります。
    これらのカラーモードは、アプリ左上の設定ボタンをタップし、出てきたメニューの中の「カラー情報を破棄」のスイッチをオンにすることで現れます。

    上画像がその各カラーモードで、
    無彩色(白黒)、黄、水色、緑、セピア、黄と青、青緑と赤、カスタム(1色)、カスタム(2色)
    と、これらそれぞれ明暗反転が出来ます。
    下の画像はその中の一例。

    (1)は、通常モードと、その反転
    (2)は、白黒モードと、その反転
    (3)は、黄モードと、その反転
    (4)は、水色モードと、その反転
    私自身は、(2)の白黒モードの反転がくっきりしていて見やすく感じます。

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