新型コロナ渦でのロービジョン(視覚障害)な私の困りごと

そもそも引きこもり体質なのですが、それでもやはりコロナ前と比べて格段に困りごとが出来ました。
全員が懸命に頑張って生きている中で恐縮ですが、見えにくいならではの困りごとを書いてみたいと思います。

他人のマスクの有無が見えない

新型コロナ流行初期では、専門家達がマスクに対してとても慎重で懐疑的な意見でした。
しかし世界的に第二波に突入しかけている今、マスクの有効性が認められつつあります。

情報の一例 (わかりやすくて面白かったです) 新型コロナ マスク着用による感染予防の最新エビデンス

個人的な実体験からも、マスクには効果があると思っています。
以前会社勤めをしていた頃、眼科の治療薬の副作用で免疫が落ち、日和見感染やただの風邪の重症化などを経験していましたが、そんな中でのインフルエンザの流行!
同僚達が次々に感染して会社を休む中、免疫力最下位くらいだったであろう私は感染せずに最後まで過ごせました。
そもそもインフルエンザが流行る前から、私はマスクを着用していたのです。(免疫力低下してたので)
食事時以外はずっとマスクで仕事。
食事も各自自由な時間に自由に取るスタイルだったので、その最中の感染も防げたのかもしれません。


前置きが長くなりましたが、そういうわけで「マスクに効果あり」と確信している私は、はっきり言ってマスクをしていない人に近づきたくないのです。
「しない」派の人は、そもそも普段から感染予防意識の低い人だと判断しているので、そういう人に近づきたくありません。
自分は無症状や軽症でも、他人に感染させて重症化、または死亡させてしまうかもしれないことが分かっている中で、それでもマスクを「しない」派の人になんか、近づきたくねーやペッペッペッという心境なのです。
なのにロービジョンなために、目の前に人が来ないとマスク装着の有無が分からないという悲劇なのです。

ちなみに呼吸器関連の事情や、知的障害、精神障害などの他にも、感覚過敏でマスクを付けられない人がいる情報を聞きました。
「出来ない」のに「しない」と誤解されるのは辛いだろうと思います。
でも、通りすがりの一見の人には理解され難くても、「しない」人間と「出来ない」人との違いは、マスク以外の言動や生活ぶりで多くの人にはわかるのではないかと思います。

買い物で商品を判別することが困難になった

コロナ以前は、買い物の際はスマホの拡大鏡機能などを利用して商品を探したり見たりしていました。
商品名などを見る時には、片手で商品を手に取り、片手でスマホなどを持って画面越しに見ていました。
しかし、新型コロナは接触感染するので、安易に手に取ることが憚られるようになりました。
それは自分が感染するのが嫌だというより、「汚染を広げる迷惑な客」になりたくないという動機からです。
誰が感染しているか分からない今の状況で、買うかどうするか分からない商品をベタベタ触るのは、やはり迷惑行為だと思います。
それを「視覚障害者だから仕方ない」と開き直るようなことは、私は絶対にしたくありません。

そこでどう解決したかというと、
「買わなく(買えなく)なった」
という悲しい結末なのでした。

ネットで購入できるものは、以前以上にネットで購入するようになり、家族に頼める物は時に頼み。
でもそれ以上に、本当に買わなくなりました。
悲しい…

入り口などでの手の消毒ジェルを見つける困難

あらゆる場所に手の消毒ジェルが設置されているのって、本当に素晴らしいことだと思います。
コロナが流行し始めた頃、通院で大学病院に行ったら、入り口に近づいただけで強烈なエタノール臭がして、匂いを辿ってその位置を見つけられた、なんていうこともありました。
しかし、個人医院やスーパーなどでは、消毒ジェルを見つけるのが難しい場合が多いです。
行きつけのスーパーならば、一度場所を知ってしまえば大丈夫ですが、それ以外だと難しく。
コロナ以前ならば、こういう「分からない事」は、前の人にひっそり付いていって真似るという裏技を使っていたのですが、ソーシャルディスタンスが大切な今はそれも出来ず。
(前の人、ごめんなさい)

感染症は個人の問題ではなく、皆の問題。
皆が手の清潔を保つことが大事だと思っています。
ここは「ハンドジェルが見つけられない!」などと言っている場合ではないと気付き、自分で携帯用の消毒ジェルを持ち歩くことにして解決しました。

衛生用品購入の難しさ

一時期の品薄状態から一転、マスクや消毒液などの衛生用品は膨大な種類が販売されるようになりました。
マスクは3層構造の99%カットフィルタ物が欲しいし、手の消毒ジェルはエタノール濃度が気になるし、消毒用エタノールは成分が気になる。
だけど今まで見たこともないメーカーや製品ばかりで、行きつけのマツキヨに行ってもサッパリ分かりません。
(上述のとおり、買うか分からない商品は触らないようにしているので、拡大して見ることが困難)

とりあえず買ってきて、エタノール濃度の低さにガッカリしたり。
ネットで調べて目星を付けても、似たような色合い・デザインの商品ばかりで、見分けが難しかったり。
何度も間違えて子ども用マスクを購入してしまったり。

ネットで普通に購入できるようになれば良いのですが、信頼できそうな製品は売り切れ状態で入手も難しく。
困ったものです。

その他

以上、そもそも引きこもり体質だった私の、新型コロナ関連の困りごとでした。

もう一つリアルに気になっているのは、万が一感染した場合の療養施設での生活です。
室内でのあらゆる事や、保健・医療関係者たちとのやりとりなど、見えないのにどうやって成し遂げられるのだろうかという不安があります。

また、同行支援やヘルパーさんなどを利用している人は、それが出来なくなって困っているという話も聞きました。
まだ家族等に頼れる人は良いけれど、それがない人は本当に大変なのではないかと心配です。
ヘルパーさんも、まずは自分と家族を守りたいだろうに、責任感から危険を冒して仕事を続けて、本当に頭が下がります。

敵は人ではなく、新型コロナウィルス。
皆で力を合わせて、打ち勝つ日が来ることを願います。